総トリハロメタン (TTHM) は、塩素やその他の消毒剤が含まれた水を浄化する際に発生する物質です。TTHMは揮発性の有機化合物であり、一般的に水道水に含まれる物質の一つです。TTHMは、四つの主要な有機ハロゲン化物、塩素、臭素、ヨウ素、およびフッ素を含む一群の化合物の総称です。

TTHMの健康への悪影響は、摂取量や曝露期間に依存します。一般的に、水道水中のTTHMの濃度は、健康へのリスクを引き起こすための基準値以下です。しかし、TTHMの濃度が基準値を超える場合は、安全性が懸念される可能性があります。

TTHMが健康に与える影響については、長期的な暴露が発がん性を引き起こす可能性があるとされています。しかし、短期的な暴露では、健康への影響はほとんどないとされています。

世界保健機関(WHO)によると、TTHMは、長期的に摂取するとがんリスクが増加する可能性があるとされています。WHOは、TTHMの基準値を100μg/Lとしています。

一方、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)は、TTHMの基準値を80μg/Lとしています。

TTHMは、長期的な摂取ががんのリスクを引き起こす可能性があるため、特に妊娠中の女性や乳幼児にとっては、摂取量に注意する必要があります。

TTHMの発生を減らすために、水道水処理プラントでは、塩素消毒によるTTHMの生成を最小限に抑えるための処理法が導入されています。このため、水道水中のTTHM濃度は、処理法によって大きく異なる場合があります。