RO(逆浸透膜)浄水器とは
更新日:2013年2月21日 木曜日 10:32
昨今話題を集めているRO(逆浸透膜)浄水器。
浄水器の機構の中で唯一放射性物質を除去できるという事で東日本大震災後の福島原発事故以降非常に注目されています。
そもそも逆浸透膜とは
そもそもRO(逆浸透膜)浄水器とは何なのでしょうか?
定義として逆浸透膜は「水のみを通して他の物質は透過させない」といった特徴を持ったろ過用の膜の事を言います。英語でReverse Osmosis Membraneといい、頭文字をとってRO膜と呼ばれています。
ろ過の能力を決める孔(水が通過する穴)の大きさはおおむね1~2ナノメートル程度で、水の分子は通過させますが、そのほかの有害物質等はこの穴を通り抜ける事が出来ない事でろ過を行います。
逆浸透膜の種類
逆浸透膜は種類によって下記のように呼ばれます。
- 中空糸膜(ちゅうくうしまく)
- ストローのように閉じた形の膜。これらを何本も重ねる事でろ過を行うタイプ。
- チューブラー膜
- 中空糸膜を大型化させた膜を何本も束ね(LANケーブルのようなイメージ)その中を通過させてろ過を行うタイプ。
- スパイラル膜
- 1枚の膜をくるくると巻いてロール状にし、そのロール状になった部分を縦に水を通過させてろ過を行うタイプ。
それぞれ長所と短所がありますが、現在発売されている浄水器のほとんどは上記のタイプのいずれかが利用されています。
逆浸透膜のデメリット
一見万能に見える逆浸透膜ですが、弱点も存在します。
まず、非常に小さい穴を通過させる為、通過できなかった物質が増え、浸透圧によって流れることの出来る水量が減ってしまいます。分かりやすく言うと、「逆浸透膜を通過させると水の勢いが衰える」という事でしょうか。
この問題を解決する為、各社浄水器は工夫をしています。水洗トイレのようにタンクの中に常に浄水した水を一定貯めておき、利用はまずそこから行い、その間に浄水した水を再びタンクに貯めていく事で常に一定の水流を保つ商品が主流です。
他にも、水以外を全く通さないため、人体にとっては有益なミネラルまで除外してしまうという欠点もあります。この点については各社、電解によってミネラルを付与する機構を設けて、人体にとってベストな水を生み出す製品を研究開発しています。